かんなの観劇記録

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ミュージカル「トッツィー」

公演記録

ミュージカル「トッツィー
2024年1月13日(土) 18:00開演 @日生劇場

山崎育三郎 愛希れいか 昆夏美 金井勇太 おばたのお兄さん エハラマサヒロ 羽場裕一 キムラ緑子

青山瑠里 岩瀬光世 高瀬育海 田中真由 常川藍里 照井裕隆 富田亜希 藤森蓮華 本田大河 松谷嵐 村田実紗 米澤賢人
スウィング:髙田実那 蘆川晶祥

音楽・歌詞:デヴィッド・ヤズベック
脚本:ロバート・ホーン
演出:デイヴ・ソロモン
振付:デニス・ジョーンズ
オリジナル演出:スコット・エリス

製作:東宝

感想

コメディ映画原作ミュージカルの日本初演、初観劇してきました👠

全体的にポップで、見てるだけで楽しかった!衣装も色とりどりだし、舞台装置も閉じたり開いたりでそれ自体が家具のよう。ミニチュアのフィギュアでありそうなかわいらしい雰囲気でした🏠電車のセットが特に好きでした、ぎゅっとすし詰めになるあたりニューヨークの人混みを象徴しているようで。

曲もアップテンポで耳に残るのが多かったですね。あと音の数に対して圧倒的に詞が長くて、歌うのとても大変そうだなと😨特にサンディはしゃべくり続けてて、全然噛まずにきちんと感情も演技も乗っかる昆ちゃん流石だなぁと改めて👏

個人的に「未来が見える」が大好きでずっと脳内でぐるぐるしてて、帰り道もアルバムをリピートし続けてました😂この曲は特に韻の踏み方もすごくて、アメリカ発っぽい作品だなぁと。日本語でも伝わるように訳されててすごかった!と、思っていたら訳詞は高橋亜子さんだそうで💡オリバー!とかメリー・ポピンズも素敵でしたよね。

そういえばドロシーが演じるのって看護師じゃなかったかな?と疑問だったんですが、やはり映画もミュージカルも看護師だったようで。劇中劇タイトルのCurse(呪い)をNurse(看護師)に掛けてたんですよね。となるとどうして日本語版では「乳母」に……?分かりやすいように、ロミオとジュリエットの物語に合わせたんですかね🤔

この話の設定は一歩間違うと不快になりかねないラインを攻めたものだと思うんですが、コメディとして楽しむことができたのは、マイケルという人物の中で何よりも「自分を認めてもらいたい」という思いが先行しているからなのだろうなぁと感じました。女性役のオーディションだったから女装という手段を選んだだけ、「ドロシー」の人格でも外見や内面を必要以上に美化することはしない、老若男女問わず対等に扱って共感できる相手には敬意を払う。そしてドロシーが成功した時に「男ではなく女として生まれたら最初からうまくいっていたはず」と周囲のせいにするのではなく、「ドロシーはマイケルに足りないもの(謙虚さや協調性)を持っているから」と自分の非を認められるだけの素直さがある。こうした長所を理解したからこそ、ジュリーは彼に歩み寄ったのだろうなと思いました。
悪意が無かったとはいえ、他人を裏切り傷付けたことへの代償は大きくて、マイケルとして、ドロシーとして手に入れたものは結局殆ど全てを失ってしまう。ジェフに「一つだけ残せるとしたら」と問われて答えた通り、最後にはジュリーだけが残ったという点も含めて、この舞台はマイケルという人間の成長を描いたものなんだろうなと感じました。

コメディですが白けることなく、ずっと笑い続けていられたのは役者さんの力量あってこそだなぁと改めて思いました。どの登場人物も笑わせようという気は更々なくて、本気でやっていることが色々と食い違った結果コメディっぽくなってしまう……というその塩梅が見事で。マイケルとジェフの会話とか、表情やジェスチャーの引き具合が絶妙でしたよね。マックスはほぼおばたのお兄さんそのままじゃないかという感じでしたけど笑 岡田亮輔さんが演じられた時にどうなっているのか気になります🤭

そして愛希さん、素敵だったなぁ✨他者に依存せず、自立した女性の姿がよく似合う。ドロシーとマイケルへの態度が徐々に変わっていくあたり、彼女の複雑な心境が丁寧に表現されていましたね。エリザベートで初めて拝見して大好きになったので、今回観られて嬉しかったです。

 

3時間ずっと楽しかったです!年始早々に明るい舞台を観られてよかった☀また機会があったら観たいなぁ😊