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ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」

公演記録

ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド
2024年2月20日(火) 18:00開演 @帝国劇場

松下優也 宮野真守 清水美依紗 YOUNG DAIS
東山義久 河内大和 島田惇平 コング桑田 別所哲也

天野夏実 AYUBO 池田遼 伊藤奨 伊藤広祥 今村洋一 江上万絢 岡田玲奈 尾崎豪 加瀬友音 鎌田誠樹 工藤広夢 倉元奎哉 シュート・チェン 杉浦奎介 住玲衣奈 西澤真耶 花岡麻里名 古澤美樹 町屋美咲 望月凜 森内翔大

原作:荒木飛呂彦
演出・振付:長谷川寧
音楽:ドーヴ・アチア
共同作曲:ロッド・ジャノワ
脚本・歌詞:元吉庸泰
製作:東宝

感想

大人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ・第一部の舞台化である本作を観劇しました!原作は未読、何となくあらすじを知っていた程度です。以下、感想の中でストーリーに触れていますので未見の方はご注意ください。

宮野さんのインパクトが絶大

観劇して一番強く感じた思いはこちらです。ラスボスであるディオ役・宮野さんが終始強烈なオーラを放っていらっしゃいました。宮野さんはおよそ4年前に「ウエスト・サイド・ストーリー Season1」のトニー役で拝見してまして、その時はわりと控えめに演技をされていた印象があるのですが、全然雰囲気が違って驚きました😲でも普段の(声優としての)演技を振り返ると、今回の方がキャラクターとしては近いかもしれないですね。
どこからどう見ても悪人なのに信じたくなってしまう、突き放したくても突き放せない、まさに「仮面」の被り方が絶妙だったなぁと思います。対するジョナサン役・松下さんはまっすぐで裏表のないキャラクターが御本人の雰囲気とぴったり合っていらしたので、お二人のジョナサンとディオは良いバランスだったと感じました。
とはいえ、あまりにも宮野さんのインパクトが強すぎて、原作として・舞台としてこれで良かったのかな?というのもまた正直な感想です。このあたりは原作ファン・観劇ファンとで感じ方が違いそうですね。

全体的にキーが高い

作中通して、出てくる曲がどれもキーが高いものばかりだったという印象です。特にエリナのソロはびっくりするくらい高かったですが、清水さんがとても綺麗に歌いあげていらして聞き惚れてしまいました。考えてみれば松下さんも宮野さんも、ジョナサン役・ダブルキャストの有澤さんも、どちらかと言えば声は高い方ですね🤔
ただやはり曲が難しいのか、難なく歌えている方とそうでない方との差が目立っていたなぁという印象です。ここ数年、日本発のミュージカルが増えていますが、全体的に難しい曲が多い気がします。やはり日本語の台詞を曲に乗せる、となるとどうしても歌いづらくなってしまうんですかね。

セットはすごい。すごいけど

本作は「複雑な演出プランに対応するための確認作業が想定以上に必要となった」ために5日間・7公演が中止となり、当初予定から6日遅れての開幕となりました。
確かに大きな盆を目一杯使った舞台装置は派手で見ごたえがありましたが、正直なところ、言うほど時間がかかるかな?と感じました。盆はしょっちゅう回転していましたが、登場人物やセットの構図は似たようなものが頻出していた印象です。素人目ですが複雑さでいうなら、昨年同じく帝国劇場で上演された「SPY×FAMILY」の方が複数のセットが目まぐるしく回転していて、もっと複雑だったんじゃないかと。とはいえあれだけセット転換があっても、さほど大きな音がしなかったのはすごいなぁと思いました。以前日生劇場で某舞台を見た時にセット転換の音が大きすぎて気になったんですが、劇場の違いなんですかね🤔
どちらかというと、安全面でちょっとヒヤッとするものが多かったです。生贄として吊るされた女性、燃えるダニー、塔の上での戦いなど。このあたりの調整に時間がかかったってことなのかもしれません。
そういえばダニーってディオに殺されたという話だったような気がするのですが、舞台では触れられていなかったような……?見落としかな。

ジョジョっぽさ」はあったんでしょうか?

私見ですが、ジョジョシリーズはインパクトの大きい台詞回しやシーンが多いというイメージがあります。たとえばディオがエリナに無理矢理キスした後、ディオの取り巻きが言う「おれたちにできない事を平然とやってのけるッ」なんかはとても有名かと思うのですが、観劇後に振り返ってみると(そういえばそういう台詞もあったなぁ)くらいの印象です。
2021年初演のミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」がかなり割り切っていて、有名なアタタタタ!をはじめとして視覚的にもわかりやすく強調されていたのと比べると、本作は話の流れに馴染むような作りになっていた気がします。私自身は原作未読なのでこのあたりの温度感がよく分からないのですが、原作ファンの方はどう感じたのかなと思いました。

まとめ

ストーリー自体は当然ながら面白かったと思うのですが、ミュージカルとして、となると正直なところあまり強い印象は残らなかったです。開幕時のドタバタもあり、様々な思いを抱えた上での観劇だったということも多分にありますが。
今回初めて拝見できた方が多かったこと、宮野さんのオーラを実感できたことは良かったなぁと思います。清水さん、また別作品で拝見してみたいです😳