公演概要
TRUMP series 10th Anniversary project 第7弾
「COCOON 月の翳り星ひとつ」「月の翳り」編
2019年5月11日(土)~26日(日) @サンシャイン劇場
2019年5月30日(木)~6月5日(水) @サンケイホールブリーゼ
安西慎太郎 荒木宏文 碓井将大 宮崎秋人 田中亨
郷本直也 鬼頭真也 大久保祥太郎 池村匡紀 細貝 圭
奥田一平 小原悠輝 菊池祐太 小比類巻諒介
竹鼻優太 夛田将秀 星 賢太 本多釈人
作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
主催・企画・製作:ワタナベエンターテインメント/NAPPOS UNITED
感想
※観劇当時にTwitterにて呟いたものです
2021年のはじめての繭期で続編(COCOON 星ひとつ)を観て、面白かったのでこちらとあわせて円盤を購入。およそ1年ちょっと棚の肥やしになってましたが、ようやく観られました〜〜〜!!!
前日譚のグランギニョルも当時観たんですが、ながら見だったのでちょっと記憶あやふやかも🤔
クランの話だったからか、全体的に吸血種たちの暴力性が前面に出ていたなぁという印象でした。他の作品も殺陣とか殺し合いはあるけど、本作のそれは無差別だったなと。人数だけで言ったらLILIUMとかもっとすごいんですけど、突き詰めれば傷つける相手選びに理由がなかったのは本作の特徴かなと。
それに「上流階級の子息が問題を起こすなんて〜」とか言ってますけどアンジェリコもラファエロもまあまあ暴力沙汰起こしてますし、でもあの程度なら「繭期だから」で済ませられる範囲内なんだろうなと思うと、人間種と吸血種が分かり合えないのも無理はないなと。そりゃ差別感情も生まれるわけだ。
アンジェリコは本当に親友になりたかったんだろうけど、でも彼がダンピールを見下す限り、ウルを守ることを使命としてきたラファエロの否定に繋がるわけで。ラファエロはこれまでも、そしてこれからも、吸血種と関わろうとする限り何度もそういう思いを味わうのだろうと思うとしんどいですよね。
ディエゴだけでなくアンジェリコやラファエロだって嘘だらけで、もしかしたら「星ひとつ」で彼らは漸くすべての嘘から解放されたのかもしれないと思うと虚無感を覚える。まあことの始まりはグランギニョルなんですけどね…。
役者さんの演技も素敵でした!安西さん、段々と狂気に呑み込まれていく様が恐ろしかったなぁ…そして少しだけ、アンジェリコの出自を思い出してしまった。
荒木さんは本編でも触れられていた通り様々な「瞳」を見せていて、惹き込まれました。魅入ると、自分まで繭期の不安定さに飲み込まれそうな。
きっと犠牲者の数としてはTRUMPシリーズの中では少ない方だろうけど、登場人物たちの言葉が周囲や発言者自身も傷つけてゆくさまが終始遣る瀬無かったです。そしてあの事件を「語らない」ことにした彼らの決断も哀しい。ここから星ひとつに繋がるのは絶望しかないけど、やはりもう一度観たいなぁ。